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研究目的
トランスナショナルな移民の動態、国境を越えて「つながる」ネットワークの活用をあきらかにし、モビリティの基底にある社会的政治的なメカニズムを解明することを目的にしている。そして、人間が何らかの共同体や社会に「帰属すること」の意味をあらためて問い直すことを通して、「共生」のためのシティズンシップの(再)構築の可能性を探究する。
- モビリティの基底にある社会的政治的なメカニズム
- 異なる集団間において形成される共生原理、構築されるシティズンシップ
研究計画
主としてアフリカ大湖地域の漁村社会においてフィールドワークを実施し、他地域の移民社会との比較研究の視点も取りいれる。
移民の受け入れ社会、送り出し社会、双方の社会空間を参与観察し、移民一世、移民二世に聞き取り調査を行う。アルバート湖岸には、漁労、農耕、牧畜などの異なる生業を営む民族集団が生活しているため、各民族集団よりライフヒストリーの収録を行う。
このサイトは、文部科学省の2016年度─2019年度科学研究費補助金・基盤研究(C)「モビリティとシティズンシップ――ウガンダ・アルバート湖岸地域の共生原理」(研究課題番号: 16K04126)」の助成を受けて運営しています。
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2010年─2013年度については、科学研究費補助金・基盤研究(B)「ウガンダ・アルバート湖岸の漁村に生成する共同性――移動と漁労に住まう人びと(研究課題番号: 22402043)」の助成を受けて、このサイトを運営しました。以下はその時の目的と計画です。
研究目的
東アフリカ・ウガンダ共和国のアルバート湖岸地域における移民社会を社会学的に調査し、移動のなかに数世代に渡って生きている人たちが、異民族と共生するなかで生成する共同性を提示し、社会学の生活理論に新たな提言を行う。
湖岸の移民社会は、周辺地域の紛争のなか1960年代に誕生し1980年代後半にウガンダの地方政治組織と市場に組み込まれた。社会秩序の再編成・流動化 のなかで人びとは、複数の生活拠点と多重的な帰属によるライフスタイルを実践している。具体的に、移動する行為者が漁労活動の協同作業を通して、移動先の 多様な社会空間でいかなる共同性を構築しているのか、それは移民らが準拠する「アルル文化」といかに連関しているのかを明らかにする。
研究計画
東移動の過程で他民族と共生する人びとが生成する共同性を把握し、さらに調査者/被調査者/研究者/漁労民/一般市民の相互作用のなかで「共同性の知」の 止揚を試みる。そのため、フィールド調査班・映像編集班・研究成果還元班を組織し、計画を三段階に分けて実施する。
- フィールド調査を実施し、漁村の 「生活世界」を聞き取り調査とインタビュー調査によって把握する。移動先と出身地域において、ジョクとアビラの祖先崇拝に関連する宗教儀礼および漁労活動 にかかわる宗教儀礼をビデオにより撮影し記録する。
- 得られた資料によって民族誌を編むと同時に、ビデオ映像を視聴覚資料として編集する。
- 映像 をウガンダと日本で上映し、フィードバックをはかるなかで、編集映像と研究成果の深化を図る。