Talking to Abila
アルル人のホームランド、コンゴ民主共和国や西ナイル地域の各村には、祖先のティポを祀る祠アビラ(abila)がある。多くの場合、アビラを守るためのジョク(s.jok, pl.jogi)を伴っている。敷地内に各親族のアビラやジョクを設けている家族もある。そうしたアビラやジョクのうちいくつかは、ルンガにも搬送されて祀られている。
ジョクは精霊と英訳される。アビラもまたジョクの1つであり、精霊としての性質を持っている。「アビラはジョクたちを統括するものである」、「アビラは父、ジョクは母だ」などと説明されることもある。これらのティポと話ができるのは二種類の人間、クランの長老と呪医である。呪医はアジョガ(ajoga)である。アジョガの行う一連の行為は、ジャラム(jalam)と言う。ジャラムは儀礼時の音を表すものである。したがって呪医はアジョガまたはジャラムと呼ばれる。ルンガ在住38年のオエールは、クランの長老であり、故郷のアビラから運んだ「アビラの種」をもっている。
(文:田原範子)
2018-09-23